【読書感想】”もしもし、運命の人ですか。by穂村弘”を読んで私は初めて活字に恋をした。

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ーー私の運命の人は、穂村さん貴方です。

なんて思わず言いたくなるほど日本語の選定と美しさが秀でている一冊です。

穂村さんは全然いい男じゃないんです。

どっちかというとダメよりで情けなくて小さな男なんです。

それでも愛おしくてしょうがない、不思議な人。

 

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

by俵万智

私の知っている現代の歌人なんてこのくらいです。

歌集なんて手に取ることもなかった人生。

テレビ番組のプレパトで俳句をやっているけれど、解説がないと何が良いのかわからない。風情って何かしら、そんなレベルの私ですが人生で二人目に認識した歌人が、穂村弘さんこの著者です。

 

北海道出身。1962年生まれ。歌人

もう結構おじさんになっちゃったな。

おじさんが書いてると思うと興ざめしそうだけど、2010年初版だからこれを連載していたころはまだ若かったはず。

この本はそんな歌人の穂村さんが書いた恋愛エッセイ集です。

ところどころに短歌がちりばめられています。

今はどちらかというとエッセイストとしてのほうが人気があるんじゃないのかな。

「絶叫委員会」とか。

 

そう、私も口癖のように末尾に「かな」ってつけてしまうんですけど、

穂村さんはそれを「1%ほどのラブレター」って言うんです。

「思わせぶりな1行」「曖昧な疑問文」それは「?」では強すぎて相手に強要してしまうけれど、僕に好意のある女性ならきっとキャッチしてくれるはずだと。だから、僕は未来への可能性を最大限に確保しようと散りばめる。

「ほむらさん、恋愛に対するセンサーが過敏っていうか、意識が過剰だよ」と、何年か前に友人の女性に云われたことがある。

「そういう姿勢は、本当の出会いを逆に遠ざけるんじゃない?」

どきっとする。

「『~なのかな。』をばらまくなんて、人間のオーラを濁らせるよ。もっと清潔にリスクを負わないと」思わず反論しかけて、いや、確かにそうかも、と納得する。

でも、と私はつい考えてしまう。

そこまで言い難いことをはっきり云ってくれるのあなたは、私のことが嫌いじゃないのでは。私のことが嫌いじゃないあなたは、私のことが好きなのでは。

この本は、決してモテ男の正統派の恋愛本じゃなくて、

悪く言えばおじさんの妄想です。

妄想なんだけれど、さらけ出すことで愛しさと可愛さが滲み出て、

私は穂村さんのことをもっと知りたくなるし、

麻薬のようにその活字に魅せられるのです。

穂村さん、もてるよね絶対。

ずるいなぁ。